生誕
ウチの李小龍7インチコレクション。
11/27は李小龍の生誕日だった。
リー生誕70周年にあたる今年、95年に出版されたこの本が復刻された。
数あるリー関連書籍の中で最も鋭い視点で書かれた、
90年代のリー再評価に繋がった一冊だ。
いち映画スターとしてのリー、哲学者、武道家としてのリーに
スポットを当てた本は無数にあるが、
これはリーという存在が国境、人種、世代を超えていかに多方面に影響を与え、
現在まで継承されているかを見事に表現している必読書である。
必見は、『ドラゴン怒りの鉄拳』に悪役日本人武道家「鈴木」役として出演し、
日本人として唯一人リーと闘った名誉ある大役を果たしたにも関わらず、
ほとんどその存在が語られることのなかった俳優 橋本力のインタビュー。
この人の経歴自体が面白すぎで、
元々プロ野球大毎オリオンズ(現在の千葉ロッテの前身にあたる球団)の投手だったのだが、
ひょんなことから球団の親会社である映画配給会社に入り役者に転身し、
後に勝新のプロダクションに移籍、
大魔神の中身(?)を始め様々な役を演じ、座頭市、眠狂四郎、ガメラ、油すましと闘ったりしているのだ。
世界広しと言えど、リー、ガメラ両方と対決した人間なんて他にいないだろう。
しかも、リーに蹴られて吹っ飛んだ際のスタントをまだ無名だったジャッキー・チェンが務めている。
真に事実は小説より奇なり。
他にもリーの没後、次から次へと登場したソックリさんや偽物映画のリストとか、
井上三太×スケシン×クボタタケシによる雑談など記事の切り口も最高に面白い。
(ちなみに、クボタは『今夜はブギーバック』のPVで得意のヌンチャク捌きを披露している)
その他、グッズだけでなく実際にリーが使用していた免許証まで蒐集している、
やりすぎリーコレクターや愛好家、研究家が勢揃いして寄稿している。
リーに人生を変えられたとまでは言わないが、
日本で初めてリーの映画が公開され、社会現象になっていた当時
まだ小学生だった僕も当然のようにリーに夢中になった。
子供には振り回せないほど本格的なヌンチャクも持ってたし、
『怒りの鉄拳』の主題歌は何百回もレコードを聴きこみ、
デタラメな英語で歌詞を耳コピして歌っていた。
↑コレ。本国盤はアグネスチャンが歌っていたという情報もある。
この本の中にやはり耳コピで歌詞が掲載されていて嬉しい。
日本でリー旋風が巻き起こった時、
実は既に故人となっていることを知り、
とてもショックを受けたが、
僕は近所の年上の兄ちゃんから死因を
「ブルースリーってカレーの食べ過ぎで死んだらしいで」
と、とんでもないデマを聞かされ、
「なんであんな強い人が死ぬほどカレーなんか食べたんだろう」
ともっと大きなショックを受けた。
結局リーの死因は当時からゴシップ混じりに諸説入り乱れているので、
カレー疑惑も拭い去れないままだ。
存命ならまだ70歳、なんと小学生の時のもう一人のヒーロー、
王貞治と同い年だったことが判明。うーん。
『燃えドラ』でリーが弟子に説いた、あまりにも有名な台詞
「考えるんじゃない、感じるんだ - Don't Think, Feel!」は、
音楽でもアートでも僕らの表現や日常のあれやこれや全てにおいて当てはまる、
とても大切な教えだ。
最後に一番好きな作品は、
当時も今も『ドラ道』だ。
↑Beastie Boys責任編集の[GRAND ROYAL MAGAZINE]超レアな第1号
このリー特集から「リー繋がり」で第2号がリー・ペリー特集というニクイ企画。
90年代のリー人気にビースティも一役買った形となった。
↑モチロン[GREEN HORNET]も大好き。
アメリカで見付けた激レアLP。泣く泣く放出してしまった...。
by imag0020
| 2010-11-27 20:15
| My Favorite Things