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作詞

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レコード・コレクターズ

201710月号

定価823円(本体762円)

A5256ページ

2017101日発行


特集 作詞家・松本隆の世界


http://musicmagazine.jp/rc/


和モノ(と言うより普通の歌謡曲やポップス)の

7インチ(100円~300円くらい)を買う際、

リサイクルショップ等では試聴不可能な店が多いので、

知らない曲を買う時の判断基準は、

まず作詞・作曲・編曲者のクレジットをチェックすることだろう。

例えば80年代のヒットシングルが10枚あれば

そこに松本隆の名前を見つけるのは容易なことだ。

松本隆+筒美京平(作曲)

松本隆+大瀧詠一(作曲)

松本隆+細野晴臣(作曲)

と言ったコンビネーションが多い。

日本のロックの特集を組んだ雑誌では、

必ず、はっぴぃえんどのファミリーツリーで

上位を独占しているのを見るけど、

結局、ヒットチャートの常連アイドルやシンガーも

この人達が手がけていたのだ。

特に松田聖子や近藤真彦のヒット曲なんて、

ほとんど松本隆の作詞じゃないか?

失礼ながら、コイツら一体印税幾ら稼いだん?と、

思ってしまう。

しかも、松本隆ってドラマーだし。

バンドの中でドラマーが作詞するパターンは

かなり珍しいのではないか?

(YOSHIKIとかフィルコリンズとか?)

と、ここまで書いていて思ったのだが、

僕はそれほど歌詞に関心が無い人だった。

やはり、曲のメロディやリズムに魅かれて、

聴いたり、かけたりすることが多いので、

「コレ、コレ、この曲のココ(歌詞)聴いて!」

なんて気持ちになることはほとんどないのだった。

でも、曲の進行の中で歌詞のこんなところを工夫してあるなって注視することはある。

と言うわけで、今日は目の前にあるボックスに入っている

歌謡曲・ポップスの7インチシングル限定で、

松本隆の歌詞に注目してチョイスしてみる。


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1位

原田真二『タイム・トラベル』(1978)

作詞 松本隆 作曲・編曲 原田真二

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1番の4行目

「蕃紅花(サフラン)色のドアを開けたよ」

サフランという植物の漢名をわざわざ使っているところにこだわりを感じる。

正直カタカナがなければ読めないところだ。

(花の名前は松本隆の詞世界にはよく登場する。)

あとは、曲のテーマであるタイムトラベルを

1番ではピラミッド、2番ではアメリカと、

具体的な地名はちょっと匂わすだけで完成させている。

是非、長編で完全版を書いて欲しいものだ。


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2位

南佳孝『スローなブギにしてくれ(I want you)』(1981)

作詞 松本隆 作曲 南佳孝

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そもそも松本隆プロデュースのアルバム

『摩天楼のヒロイン』でデビューした南佳孝。

やはりこの曲にトドメを刺す。

めちゃめちゃカッコつけたタイトルなのに、

「スローなブギにしてくれ」という歌詞は一切登場しない。

もう、冒頭の「Want you~♪」

一発で勝負を決めている力技だ。


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3位

寺尾聰『ルビーの指環』(1981)

作詞 松本隆 作曲 寺尾聰

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説明不要の大名曲、大ヒット曲だが、

まず、タイトルに「指輪」ではなく「指環」

という書き慣れない字を持ってくるのが松本隆スタイル。

そして、歌い出しの

「くもり硝子の向こうは風の街」で、

いきなり松本隆の代名詞である「風街」を

使っている。

この曲にかける意気込みを感じずにはいられない。

「問わず語り」なんて表現で主人公の孤独を感じさせ、

「枯葉ひとつの重さもない命」

「重さもない」という言葉で逆に重さを表現、

最後に「貴女を失ってから」で、

「貴女」つまり、恋人の死を表現する

完璧なストーリーテラーぶりである。

最後の行でいきなり「二年の月日が流れ去り」

と、時間を強引に経過させるのだが、

まだ「街でベージュのコートを見かけると

指にルビーのリングを探すのさ」なんて、

まだまだ面倒な心理状況にあることをうかがわせる着地になっている。

ベージュのコートを見る度に近寄って指をチェックするなんて実際にやったらアウトだ。

しかし、主人公の心の内側を端的に表現している。


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4位

松田聖子『風立ちぬ』(1981)

作詞 松本隆 作曲 大瀧詠一

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先述の通り松田聖子の作品に松本隆の詞は欠かせない。

あまりにも名作が多くてどれを選ぶか悩んだが、

やはりこれにした。

タイトルは松本隆のオリジナルではないが、

この言葉に松本隆が魅かれたのだろう。

曲の冒頭でサビを持ってきてタイトルも使うパターンの名作に仕上がっている。

「涙顔見せたくなくて

すみれ・ひまわり・フリージア」

意味はよく解らないが秋の高原にいる主人公の気持ちを

季語として花を羅列する手法で表現しているのか。

涙のインクでしたためた「SAYONARA」連呼はちょっと怖い。


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5位

榊原郁恵『ROBOT(1980)

作詞 松本隆 作曲 筒美京平


同じ年にヒットした沢田研二『TOKIO』とともに、

いわゆるテクノ歌謡の先駆けとされる名作。

YMOを意識した「ピコピコ路線」

タイトルもおそらくクラフトワークからだろう。

ここでは「ロボット」を無機質なメイドのような捉え方で

榊原郁恵に演じさせているのだが、

実は普通の女性の恋愛感情を表現している。

このロボット感が榊原郁恵のキャラクターに

合っていたのかどうかは不明で他のアイドルが歌えばまた違った結果になっていたのではないかと思うが、

松本隆も苦心して作ったのではないかとも想像した。


というわけで今日はここまで、続きは後日。

そういえば、昨年、愛媛に松本隆さんが来られていた時に

偶然、RICO SWEETSで隣の席にいらしていたことあったなー。

あれはビックリした。


(文中敬称略)









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by imag0020 | 2017-09-16 15:21 | レコード日記
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DJ / 音楽評判家 / 80's洋楽王 / マットマートンファンクラブ / アイマグ編集長


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