アイマグブログ― カマタヒロシ 

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『コマーシャル・ゾーン』シリーズ#1

『コマーシャル・ゾーン』シリーズ

このシリーズではTVコマーシャルに使われた楽曲を紹介しよう。
80年代は洋楽を使ったCMが非常に多く、
かなり異表を衝くマニアックなアーティストの起用もあった。
中にはアーティスト自身が登場するものも少なくない。
それに伴いシングルのジャケットにも多数の名作が存在している。

『コマーシャル・ゾーン』シリーズ#1-ホンダ スクーター編 
HAIRCUT 100 / FAVOURITE SHIRTS(BOY MEETS GIRL)
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アイドル然としたルックスと極上のポップセンスを併せ持つ
ヴォーカリスト、ニックヘイワードを中心に結成された
ヘアカット100の1stアルバム[Perican West](82年)
からのヒット・シングル。
当時メディアの取り上げ方もかなりお洒落さを強調されていたせいで、
ルックス重視のグループと捉えるムキも多かったが、
多数登場した一連のファンカラティーナなサウンドの中でも
サンバなどブラジリアン・ミュージックのリズムを
大胆に取り入れていて、断トツに洗練されていたグループだった。
このシングルは英国でデビュー・シングルとして リリースされた
『フェイバリット・シャツ』
(アルバム発売時にはこの曲の邦題が『好き好きシャーツ』
という絶妙かつ謎なタイトルになっていた。直訳ではあるが、
「シャーツ」と伸ばすのはナゼ?)と、2ndシングルの
[Love Plus One]のカップリングで、米国でも同様にカットされた。
いずれもダンサブルなアレンジで、90年代に入ってからも
ネオアコ、ギターポップ好きを中心に再評価された。
もちろん、いま聴いても全く色褪せていないし、
多くのDJによっていまもプレイされ続けているクラシックである。

これはホンダ『タクト』のTVCMに使用された際の広告仕様ジャケ。
CMシーンのカットを使用しているデザインが面白い。
精一杯オシャレな雰囲気を演出しているのが伝わってくるが、
やはりフローリングの部屋にタクトが置いてあるのは奇妙以外の何物でもない。
また、筆者の記憶ではこの広告の制作意図とは裏腹に
当時タクトを愛用していたのはヤンキーが主流であった。

さらに、ホンダは[LEAD]というスクーターのCMでは
ニューウェーヴ、ポストパンクシーンの最重要バンドPOP GROUPから派生した
[PIG BAG / Papa's Got A Brand New Pig Bag] (81年)
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というマニアックな起用を見せている。
これも通常のジャケットとは異なる広告仕様デザインだ。
普通にお茶の間にピッグバッグが流れていた時代…
今こそピッグ・バッグ、ヘアカット100と立て続けに起用した
当時の広告代理店とホンダのセンスを最大限に評価したい。
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# by imag0020 | 2008-04-08 19:46 | レコード日記

『素晴らしき邦題の世界』シリーズ#5

『素晴らしき邦題の世界』シリーズ#5
STRAY CATS / LONELY SUMMER NIGHTS
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ストレイ・キャッツの2ndアルバム[Gonna Ball](81年)
から日本独自のシングルカット。
かなり日本人好みな感傷的メロディのロッカ・バラード。
彼らは本国アメリカより先にイギリス、日本でブレイクしたため、
米国盤には存在しないカップリングのシングルが多数存在し、
コレクターの蒐集対象となっている。
何より面白いのが、日本盤担当ディレクターのセンス爆発の邦題だ。
彼らが人気を獲得したのは、ストレートな楽曲のカッコ良さが評価
されたこともあるが、やはり英国のパンク、ニューウェーヴ、
ニューロマンティックなどの要素を上手く取り入れている点も大きい。
テッズを始めとするファッション、ヘア・スタイルの流行や、
50's、60'sを嗜好するスゥインギング・ロンドンのリヴァイヴァルと
結びつき、ネオ・ロカビリー・ムーヴメントを巻き起こしたのだ。
しかしストレイキャッツ一連のシングルの邦題はネオロカというより、
昭和歌謡ロカビリーや懐メロの流れを汲むセンスである。
1 stシングル[RUNAWAY BOYS]→『涙のラナウェイ・ボーイ』
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2ndシングル[ROCK THIS TOWN]→『ロック・タウンは恋の街』
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3rdシングル[WHAT’S GOIN’ DOWN]→『ごーいんDOWN TOWN』
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(これなど[GOIN’]=『ごーいん』というホントに強引な力技だ。しかも平仮名…)

そして、この『おもいでサマー・ナイト』や、
[I WON’T STAND IN YOUR WAY]→『涙のリトル・ガール』と続く。
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もはや定番の『恋の~』、『涙の~』連発なのだ。
どれも原題に限りなく忠実でいて、
どこか決定的に誤解しているような印象を与えてくれるのもまた
日本盤シングルの魅力である。
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# by imag0020 | 2008-04-07 16:02 | レコード日記

『素晴らしき邦題の世界』シリーズ#4

『素晴らしき邦題の世界』シリーズ#4
THE BUGGLES / VIDEO KILLED THE RADIO STAR
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イエス、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド、シンプル・マインズ、
アート・オブ・ノイズ、グレース・ジョーンズ、マルコム・マクラレンなどの
作品を手がけ80年代を代表するプロデューサーとして知られる
(数年前にはアノ、t.A.T.u.もプロデュースしていた!)
トレヴァー・ホーンのユニット、バグルスのデビューアルバム
[The Age Of Plastic](80年) からの大ヒットシングル(79年に全英1位)
80年代に入り、ヒット曲を生むメディアがラジオからMTVを中心とした
PV(ヴィデオクリップ)の時代へと移行していく様を予見したこの曲は、
日本でもテクノポップ・ブームとともに紹介され人気を集めた。
この曲のヒットの要因は、もちろんキャッチーなメロディラインと
ラジオ・ヴォイスの効果的な使い方に因るところが大きいのであるが、
ここ日本でのヒットの理由の一つにこの見事な邦題のセンスも挙げられて
然るべきだろう。
ポップな曲調に対して一瞬違和感を覚えつつも印象に残る
『ラジオスターの悲劇』という邦題との奇妙な調和が面白い。

その後、81年にアメリカでMTVが開局し本当にミュージック・ヴィデオの
時代が到来するのは周知の通りだが、
1981年8月1日12時15分、MTV開局時の最初にオンエアした
ミュージック・ビデオこそが『ラジオ・スターの悲劇』だった。
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# by imag0020 | 2008-04-06 17:04 | レコード日記

『素晴らしき邦題の世界』シリーズ#3

『素晴らしき邦題の世界』シリーズ#3
THE FUN BOY THREE / THE TUNNEL OF LOVE
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テリー、ネヴィル、リンヴァル
スペシャルズのフロントマン3人によって
脱退後に結成されたファン・ボーイ・スリーの
2ndアルバム[Waiting](83年)からのカット。
デヴィッド・バーンプロデュースによる名盤。
彼らの作品も多数の名(迷)邦題が確認できる。
同アルバムからの他のシングルでも
[Our Lips Are Sealed]が、
『泡いっぱいの恋』だし、
(間違いなく「Our=泡」の語感で付けてる)
1stアルバム[The Fun Boy Three]など
『ファン・ボーイ・スリーがやって来る 
 ファン!ファン!ファン!』である。
(これも担当者が「ファン」という語感に引っかかって、
ファンを強調してみただけだと想われるが、
なぜビートルズ的な邦題なのか...)
そして、とどめがこの『愛の洞窟』のインパクト。
直訳と言えば直訳なのだが意味不明である。
この、「愛の~」は前回の「悲しき~」同様、
邦題登場頻度が非常に高い。
類似邦題として当然「恋の~」も多いのだが、
その使い分けは邦題担当者のセンスによるのだろう。
という訳で今日は『愛の~』ヒット曲集。

愛の微笑を  シャンカール・ファミリー・アンド・フレンズ
愛の物語   アラン・プライス・セット 
愛のラルゴ  アイズ・オブ・ブルー 
愛のユートピア  アルビン・リー&マイロン・ルフェーブル 
愛のひととき  マリアンヌ・フェイスフル 
愛の瞬間   ウインド・イン・ザ・ウイロウズ 
愛の歌は永遠に デラニー&ボニー 
愛の道しるべ   プレインソング 
愛の喜び     メリー・ホプキン 
愛のはじまり   シューシャ 
愛の恵みを    ジェイムス・テイラー 
愛のベル     メラニー 
愛の夢      リック・ウェイクマン 
愛の芽ばえ    ストローブス 
愛のシンフォニー  エスペラント 
愛のルネッサンス  イ・プー 
愛の悲しみ     デヴィッド・ボウイ 
愛の人工衛星    ルー・リード 
愛の炎       スイート 
愛のジプシー    フリートウッド・マック 
愛の出発      ベイビーズ 
愛のトリック    ダイアー・ストレイツ 
愛のきずな     リック・スプリングフィールド 
愛のやすらぎ    イーグルス 
愛の叫び      ジェニア・レイヴァン 
愛の歌       マーシャル・タッカー・バンド 
愛の色褪せて    ドゥルッティ・コラム 
愛の疑問      ストロベリー・スゥイッチブレイド 
愛のスペース・ガール シュリー・カリー 

…と、まぁ他にもいっぱいあるだろうがこんな感じである。
元々のタイトルに[LOVE]というワードを含んでいなくても
「愛の~」が使われている曲も多く、
こうしてみると「愛の~」は相当使い勝手が良いと言うか、
ある意味どんな言葉をくっ付けても成立するような気がしてきた。
が、これだけ列挙しても『愛の洞窟』はやっぱり断トツに変だ。
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# by imag0020 | 2008-04-05 15:49 | レコード日記

『素晴らしき邦題の世界』シリーズ#2

『素晴らしき邦題の世界』シリーズ#2

CASCADES / RHYTHM OF THE RAIN 
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このシングルはジャケットが示す通り、全世界に
『モッド』というユース・カルチャーを知らしめた映画、
『さらば青春の光』(原題:"Quadrophenia"/79年)の
サントラからのカットという形態でリリースされたもの。
サンディエゴ出身の5人組ヴォーカル・グループ、
カスケーズによる全米No.1ヒット、63年。
60'sオールディーズの超有名ソングだ。
この年代のオールディーズ・ヒッツを見ると、
やけに多いのが、この『悲しき~』と、『恋の~』を
使った邦題である。
以下は、『悲しき~』ヒット曲集。

悲しき片想い/ヘレンシャピロ
悲しき街角/デルシャノン
悲しき少年兵/ジョニーディアフィールド
悲しき悪魔/エルヴィスプレスリー
悲しき朝やけ/フォーシーズンズ
悲しきあしおと/スティーブローレンス
悲しきインディアン/ジョニープレストン
悲しきカンガルー/ロルフハリス・パットブーン
悲しき北風/カスケーズ
悲しきクラウン/ニールセダカ
悲しき叫び/アニマルズ
悲しき16才/ケーシーリンデン
悲しき女学生/パットブーン
悲しき戦場/バリーサドラー
悲しき鉄道員/ショッキングブルー
悲しき天使/メアリーホプキン
悲しき闘牛/ハーブアルパート&ティファナブラス
悲しき願い/アニマルズ
悲しきハート/スーザンシンガー
悲しきベイブ/タートルズ
悲しき慕情/ニールセダカ
悲しきラグドール/フォーシーズンズ
悲しきレター/パットブーン
悲しきサルタン/ダイアー・ストレイツ

...と、まぁこんな感じである。
何がそんなに悲しいのか、世の中悲しいことだらけである。
『悲しきカンガルー』とは、一体どんな唄なのか?
『悲しき闘牛』も同様、悲しいならやらなければいいのに。
とさえ思ってしまう。

THE SPECIALS / HEY,LITTLE RICH GIRL
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番外編としてスペシャルズにも『哀しきディスコ・レイディ』(80年)
という曲がある。(こちらは「哀しき」だが)
お金持ちのお嬢様を哀れむという詞の内容ではあるのだが、
原題とは全然印象の異なる邦題になっている。
さらに言うなら「レイディ」とは一体何なのか…?
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# by imag0020 | 2008-04-04 14:58 | レコード日記
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DJ / 音楽評判家 / 80's洋楽王 / マット・マートン・ファンクラブ / 野球カード蒐集家


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