あぶっては姦って、踊っては殺す。
ヤーディ / ヴィクター・ヘッドリー(著) 荏開津 広(訳) / トランスワールド・ジャパン
ロンドン麻薬カルテルを舞台に描かれる、ジャマイカン・ギャングスターの青春群像劇
選曲家として、文筆家として、僕が尊敬してやまない
荏開津 広さんが翻訳したノヴェル
ジャマイカ人がキングストンのゲットーを「ヤード」と呼び、
そこの住人を指して「ヤーディ」と呼ぶようになって、
英国に移住したジャマイカ人たちは郷愁と自嘲的ユーモアを込めて
自分たちをそう呼び始めたらしい。
ロンドン地下社会にうごめくジャマイカン・ギャングスターたちをリアルに描ききったため、
英国で出版された90年代初頭、著者はメディアに出る際に素顔を隠し続けたという。
それくらいジャマイカ移民社会は大きくはないということのようだ。
僕は一度だけブリクストンという街に行ったことがあるが、
そこは僕が頭に描くジャマイカ移民街そのものだった。
そして、確かに彼らはレゲエ・ミュージックと密接に暮らしていた。
この本を読む時は90年代のダンスホール・レゲエをBGMにするべし。
なくても読んでたら勝手に聴こえてはくるだろう。
by imag0020
| 2010-05-11 18:45
| My Favorite Things