アイマグブログ― カマタヒロシ 

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回葬

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ECDこと石田義則さんが亡くなった。

僕の大きな心残り、

それはECDDJとライヴを松山で体験できなかったことだ。

僕とクボタタケシによるHOTTEST NEO CLASSICS

でもゲストDJとしてECDの名前が挙がっていた。

数年前にはかなり具体的な日程まで上げてオファーさせてもらったのだが、

石田さんの現場仕事の都合が合わず見送った経緯があった。

例え上手く調整して仕事終わりで最終便に乗り、

松山まで来れたとしても始発の新幹線で東京に戻るくらいの

時間じゃないと仕事に間に合わないというので、

夜中に地方での出演は難しいということだった。

仕事を休める日も1ヶ月前にならないと確定しないので、

当然その日まで正式な告知も出来ないし、

クボタやクラブのスケジュールにも影響する可能性があった。

だったらこちらが合わせるしかない。

クボタもリスクを承知の上で石田さんを誘ってくれていたし、

石田さん本人も行きたいと言ってくれていたようなので、

なんとしても実現させたかったのだが

その後、体調を崩されたりしたこともあり、

しばらく厳しいだろうなと思ってオファーも封印していた。

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僕がECDという存在を知ったのは、

1987年頃にフジテレビで放送されていた

深夜のカルトプログラム『FM-TV』の中で

藤原ヒロシさんと高木完さんによる

タイニィパンクスのコーナーがあって、

そこで「新人レゲエディージェイECD

って紹介されていた時。

その時の石田さんが27歳。

新人と言っても完ちゃんより年上なんですけど

みたいなトークをしていたのを記憶している。

初期はチエコビューティーとコンビネーションで歌ったりしていたし、レゲエ寄りの人って認識していた。

その後、

MAJOR FORCEからリリースして、

初めてライヴを観た時は川辺ヒロシ君がバックトラックを刻むセレクターを務めていたのもよく憶えている。

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このツアーで高松にも来た


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このコンピ盤でDJ DOC HOLIDAYこと須永辰緒さんとの

コンビでやった『マンション』も懐かしいし、

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ECD主宰の『CHECK YOUR MIKE』では、

自ら司会もやっていて、TONEPAYSCARTOONS

キミドリA.K.I.も出ていた。

そう言えば、その時のフライヤの問い合わせ先の電話番号に、

普通に 03-〇〇○ ISHIDA って書いてて、

エッ、コレッてECDの家の番号⁉︎って驚いたり。

石田さんは後に、

隠さないといけない個人情報なんて何もないって、

自宅の住所なんかも堂々と掲載してたけど、

もう、当時からそんな感じだったな。

あのフライヤどこかに残してあるはず。

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あ、パブリックエネミーFight The  Power Live

の輸入盤VHSを買ったら日本のツアーのシーンにECDや完さんが一瞬映ってテンション上がったことも。


石田さんはニューウェーヴな音楽家だった。

後期はサックスを手に盟友イリシットツボイ君とのコンビで

ヒップホップを解放しながら最後までニューウェーヴなヒップホップを実践していた。

ラッパーとしても印象的なフレーズ、ラインを多数残している。

「やりきれないことばっかりだから、レコードをレコードをレコードをレコードをレコードをレコードをレコードをレコードをレコードをレコードを聴いている、今日も」

(DIRECT DRIVE)

なんて、こんなシンプルなリリックの繰り返しで、

僕らの心情を代弁してくれるなんて。

どんだけいろんなとこで使わせてもらったことか。

日本語ラップ史上最高の発明かも。

あとは、さんピンCAMPオープニングでの

J-RAPは死んだ、俺が殺した」宣言も、

ジョニーロットンの「ロックは死んだ」発言を

当時のシーンに置き換えてたんだと思う。

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ECD監修 PERFECT BEATS
この本もレコ屋時代にお世話になった。
ヒップホップの重要な12インチはコレでチェックしていた。

好きな曲は挙げるとキリがないが、

『マス対コア』や『ブギーバック』アンサーソング、

四街道とやった『銭の花』、

『ロンリーガール』はモチロン、

やはり『サマーマッドネス』も。

ミュートビートのレコードを回転数チェンジしてそのまま使った

After the  Rainは、もう真骨頂。

コレを7インチでリリースしたのも最高。

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あとはデモのテーマ曲『言うこと聞くよな奴らじゃないぞ

も7インチだったな。

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君は薔薇より美しい

この12インチもアートワーク含めて好きだ。

もう、イルドーザーのグラフィックがそこにないとECDの作品は完成形とは言えないような。

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GAS BOOK 06 illdozer


そして、ECDがその本領を発揮し始めたのは

ベスト盤『MASTER』リリース時のCCCD問題に端を発するcutting edge離脱後の

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アルバム『失点インザパーク』(2003年)

からの真のインディペンデントなリリースや

表現活動こそが石田さんの底力だった。

MAJOR FORCEcutting edge 時代よりも

精力的にリリース量も増えファンを自認する

僕ですら追いつけなくなってたほど。

でも制作したアルバムも良かったけど、

何より僕にとっては石田さんが好きな音楽や

レコードのチョイスに興味があった。

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特に2002年の米国音楽誌での100枚セレクト

コレは本当に隅から隅まで読んだな。

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日本のロックに対する造詣の深さは凄くて、

その見識にはかなり影響受けた。

僕より年上の東京の人はそんな環境で音楽を聴けたのか、と。

元々この企画が好きでクボタや辰緒さん、フォースオブネイチャーの号も面白かったけど、

石田さんの回が一番読み返す頻度が高い。

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あとは、選曲したCD-RPRIVATE LESSON』シリーズもよく聴いた。

いま流行りの和モノとはまた異なるけど、

ある意味アルバムを聴くよりも

紛れもないECDの世界観が垣間見れる。

後から正規リリース盤も出てたけど、

それよりも、自分家でコピーしてきたCD-Rを石田さんに貰ったようなコレが好き。

(盤面もマジックで書いてるだけだし)

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そして、とどめはECDの音楽史

いるべき場所 In the place to be

ダイアリーをはじめとする石田さんの著書も片っ端から読んだけど、やはりコレ。

パンクやヒップホップとの出会いなど、

石田さんの眼を通した同時代史になってて、

自分との世代や環境の違いを興味深く、

それこそ何回も何回も読んだ。

この本と、プライベートレッスンのCD

そして米国音楽とイルドーザーの作品集

コレが僕にとってのECDベスト。

何は無くともこれだけは大切に置いてます。

あまりにも突然亡くなったので、

まだ哀しいというより実感できないけど、

本当に大ファンでした。

最後に実際にお目にかかったのは明け方の

オルガンバーのフロアで隣に座ってて驚いた時かな。

Twitterで返信貰ったりしただけでも嬉しくなるようなミーハー的なファンでもあり、

音楽を続けるためのやり方、生き方も含めて影響受け実践してみるほどの信者でもありました。

まだ聴いてない近年のアルバムは個人的に新譜として

これからの楽しみにしておきます。

「遅いぞ!追いついてこい!」

の言葉を頼りに、

僕も自分のいるべき場所を探して生きていきます。


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スコット・ラ・ロック 蘇れ

マーヴィン・ゲイ 蘇れ

ボブ・マーリー 蘇れ

江戸アケミ 蘇れ

マルコムX 蘇れ

ジョン・レノン 蘇れ

ポール・C 蘇れ

(『復活祭』より)


今後はこの歌に

MCAD.L.と共にECDの名前を加えて

僕らが歌い継いでいくべき。


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by imag0020 | 2018-01-29 11:42 | My Favorite Things
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DJ / 音楽評判家 / 80's洋楽王 / マットマートンファンクラブ / アイマグ編集長


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