肖像
Riddim Presents
Technics SL-1200の肖像
ターンテーブルが起こした革命
「ヒップホップの誕生と普及、DJカルチャーの隆盛に貢献し、累計売上350万台以上を誇るテクニクスSL-1200シリーズ。40年もの間、ほぼデザインを変更することなく世界中で愛されてきたターンテーブルの実像について、パナソニックに残された資料や歴代スタッフの証言、著名DJたちへの取材によって迫る。
企画立案はOVERHEAT MUSICの石井“EC”志津男氏、執筆はDJ専門誌「GROOVE」の元編集長・細川克明氏。
ダイレクトドライブの発明や、初めてDJ向けターンテーブルとして開発されたSL-1200 MK2への進化、ディスコ・クラブ文化などの移り変わり、最新モデルSL-1200 MK7のデビューといった、ターンテーブルをめぐるカルチャーを一冊にまとめている。」
こんな本が出た。
レコードが載ってる本はとりあえず手に取るけど、
機材をテーマにした本は買ったことない。
そもそも機材に疎いからサンレコ(サウンド&レコーディング・マガジン)なんかも無縁だった。
でも一応最低限のこだわりはある。
Vestaxの片耳ヘッドフォンと、
Technics SL-1200を使うこと、だけ。
コレが無ければ始まらない。
今から9年前の生産終了時にこう書いてあるので読んでほしい。
https://imag002.exblog.jp/14522076/
本当にこのターンテーブルが無かったら…。
現代に至るダンスミュージックはモチロン
ポップミュージックの進化、発展も大きく異なっていたと思う。
本書の中でレコード番長 須永辰緒さんがこう語っている。
「SL-1200って僕らがメーカーの売り上げを心配してしまうほど、とにかく壊れないじゃないですか。自宅で今使っているSL-1200 MK3だって、もうすぐ30年選手のはず。」
そう、本当に壊れない。
僕なんか、MK3どころか、さらに1つ前のMK2をずっと使ってきたけど、ついに殿堂入りさせて、(壊れたわけではない)
以前ここに書いたソウルセットのお下がりのMK3にチェンジした。
クボタタケシも同様に「どこも壊れないからMK2のまま」だって言ってたな。
僕なんかDJの練習とか全くしたことないけど、
それでもお店で使ってた時は一日中レコードをかけてるし、
お客さんも試聴するし、一般の家庭よりはターンテーブルを使い込んでるはずだ。
それでも消耗品である針の交換以外は特に何もしていない。
驚異的な耐久力だ。
このままいけば僕が最新機種MK7を手に入れる必要性にかられるのは何十年も先になる。
その頃にまだ進化したSL-1200シリーズが発表されているのか興味深い。
一方で全くヴァイナルとは無縁でプレイするDJも増えているのもまた事実。
ベテランになってからPCに移行した人も多いし。
まだ僕が呼ばれるようなパーティやクラブは他に出演するDJもほとんどが当然のようにヴァイナル中心だけど、
以前不定期で開催されていたパーティでは、
僕だけがヴァイナルを使用していたこともある。
それどころか、そのお店で開催されている他のイベントや営業でもアナログ盤が回っていることはほぼ皆無らしい。
そうなってくると、もうアナログターンテーブルを設置していないクラブも出てくるのかもしれない。
ただでさえアナログDJは荷物が多いのに、
この上ターンテーブルまで持参するような時代になってきたらさすがに厳しい。
初めて行くクラブとか「ターンテーブル置いてますか?」なんて事前確認が必要になってくるのかも。
DJはどこに行ってもみんな同じSL-1200を使ってるところが面白いなと感じていたのだが。
例えばギターなら憧れのギタリストが使ってるモデルだったり多数の名機があるので、
それぞれが自分のスタイルで楽器をチョイスしているけど、
DJは(ヴァイナルでプレイするDJならば)、古今東西有名無名問わずほとんどがSL-1200を使っているのではないか?
モチロン、テクニクス以外のメーカーからもDJ用ターンテーブルは出ているが、
少なくとも僕が他社製品を使ってみた感想は
基本動作がSL-1200と同じ仕様であっても、
全く異なる物を触ってるような違和感しかなかった。
やはり感覚的な作業なんだなと再確認した次第だ。
最後にどうでもいい話だけど、
僕は「タンテ」って呼び方が大っ嫌い。
この本の帯でMURO君の「一生浮気できないタンテ!」
なんてコメント載せてて寒気がしました 笑
ターンテーブルをタンテって略す人はアナログDJに向いてないと思う。
「タンテ」より、まだ「TT」の方がいいんじゃないかな。
ちなみに僕は「スマホ」も「スタバ」も「サロキ(松山の人しかわからないが)」も絶対言わない。