提案
rockin'on増刊として不定期刊行されていた
音楽誌『BUZZ』(現在は実質休刊状態)の2001年1月号。
特に定期購読してた訳ではないけど、
この号が好きで大事に保管してある。
1963~2000年の各年度のベストロックアルバム5枚を選んで掲載しているのだが、
それを見ながら、
「どの年が一番聴いてた?」
っていろんな世代のお客さんや友達と話すのが面白くてよくやってた。
僕が本格的に外国のロックを聴くようになるのは80年代に入ってからなのだが、
その夜明け前とも言える今から40年前の1979年の5枚が凄くて、何度見てもそのページで止まってしまう。
クラッシュ『ロンドンコーリング』を筆頭に
イアンデューリー、スペシャルズ、ポリス、XTC…。
なに、コレ!まんま自分やん!
1979年限定じゃなくてオールタイムベストやん!
って興奮するようなセレクション。
あえて言うならXTCよりもスリッツ『CUT』や、
P.I.L.『メタルボックス』の方が
個人的には上位に来るのだが、それにしても凄すぎる。
想像してみてほしい、これらの歴史的名盤が、
近所の普通のレコード屋の店頭に新発売のLPとして入荷している様を。
当時はまだCDじゃないから当然全て帯付き日本盤LP。
「すべては歴史が証明してくれる」ジョーストラマー
そりゃ多くの洋楽ファンはビーシーズやABBAなんかを買ってたんだろうし、
これらがそれほどいっぱい入荷してたとは思えないけど、
ロンドンコーリングが近所のレコ屋にも置いてあったのはハッキリと記憶にある。
僕の場合は友達の家で初めて触れた。
(実際には友達の兄貴の所有物だったと思う)
よくはわからんがジャケットがカッコいいなと思った。
僕が買ったのはもう少し後になってから。
そういえば、若い頃、同じラジオ番組に出てたパンクバンドの人は「クラッシュはセカンドまで」って言ってたな。
つまり、この『ロンドンコーリング』以降はパンクじゃない、と。
確かに、いわゆるパンクらしいストレートなサウンドはセカンドまでなのかもしれない。
もう、このロンドンコーリングで僕らが後々好きになる音楽を全部やってしまっている。
R&B、スカ、カリプソ、レゲエ、ジャズ、ロカビリー
今ではそれらの音を理解した上で聴くことが出来るが、
このアルバムに並んだ圧倒的な曲の数々はそんな知識などハナっから必要としていなかった。
アナログLP2枚組19曲というのは当時としては大作だったかも知れないが、
CD化され、一枚のディスクで一気に聴けるようになってちょうど良いと思えるようになった。
なにしろ捨て曲が一切ない。
ビートルズ『アビーロード』の時に書いたが、これもアルバムをアルバムとしてキチンと聴いている数少ない一枚だ。
大作といえば、クラッシュは更なる大作がこの後に控えている訳だが、
よく、『ミュージックマガジン』などでは
『サンディニスタ』を名盤として挙げる傾向があって、
それもわかるけど、僕は、こと「アルバム」としてのまとまりや楽曲のクオリティを考えたらロンドンコーリングの方が上だと思う。
僕はどんな状況でも聴けるようにLPだけじゃなくて、CDもカセットも全て所有しているくらい。
(やっとここからが本題)
今回、『ロンドンコーリング40周年企画盤』
が11月15日にリリースされる。
先日のアビーロード同様にスクラップブック付きCDやらアナログLPの復刻やら、いろんな仕様になっているらしい。
25周年の際にリリースされたDVD付きのCDを店で仕入れたのが15年も前だって事実に驚いてしまうが、
あの時自分で一枚購入したから今回はもういらないなぁって。
そんなありきたりのアニバーサリーなんて要らない。
だってクラッシュやもん。
そのスクラップブックは見たいけどね。
僕からの提案としてはシングルになっていない曲にこそシングルで欲しい曲があるので、
ロンドンコーリングシングルボックスセットを
日本独自企画でリリースしてみてはいかが?と思う。
いや、ボックスじゃなくてもいいから、
Wrong'em Boyo
Revolution Rock
だけでもカップリング7インチ出さない?
出してよー、みんな喜ぶよー。
そしたらクラブにも2枚組LPなんて持って行かなくて済むしね。
って、誰に訴えればいいのか?
it's SONY?